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ふと、思い立ってコンビニに行ったりする夜が好きだ。

夕方が終わり、夜が始まるとき、星空はくっきりと色付く。
コンビニまでの距離は何歩歩いたか数えきれるほど短い。けれど私は夜に抱かれているようにうとうとと歩く。夢の中にいるような不思議な感覚になる。夜の中にいると前後不覚になって、ついでに上下左右も曖昧になって、時折転倒してしまう。そして無理やり現実に引き戻される。そんなことを早起きするようになった毎日を過ごすようになってから繰り返している気がする。空を見て地面を見て、そんなに視界を急激に動かしていたらそりゃあコケることもあるよなあ、と思う。

コンビニでは突然足りなくなった調味料や、何となくおやつが欲しくなったりしたときに行くので一日の中で数回行く日もある。野菜などを買った日は「えらいねえ、ちゃんと自炊して」と仲良しの店員さんに言われて頭をかく。えらいのかな。私の歩き方を知ればしっかりしろ、と思われるだろう。

コンビニ袋を提げて歩く帰り道は買った物を守らなくてはと思うせいか、下を向いていることが多いが、それでも空によそ見する。風が強い日は星が揺れて少しだけ心許なくなる。この世が私と星空だけのように思えて、突如、私は暗闇の中に放り出される。それでも玄関まで一生懸命歩き、足を止めてからあらためて夜の空をじっくりと眺める。星は視界に入りきらないほどに広がっていて、ああ、私は夜と散歩をしていたんだなと思う。手を繋いで。

今は三つ並んだ星を見つけるのが好きだ。あれがかの有名なオリオン座と言うのだと最近知った。オリオン座というものを形成する星の中の一部なのだと。もしも星から私が見えていたら私も星の一部を形成するひとつに見えたりするのだろうか。


  

お久しぶりです
最近はこんなふうに夜に歩くことが珍しくなり、ゴミ出しのときに夜空を見上げて夜と仲良くしている。朝型になると夜が少し淋しく思うようになっちゃったかな。画像は、つつじを背中に乗せたまま毛づくろいをする、らむ子さん。夜の中でも猫はいつも変わらず猫でいてくれる。