First Kiss

幸坂かゆり Weblog

カテゴリ: らむ子さん放浪記


キラキラ今日、らむ子さんが帰ってきました!キラキラ


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これまで心配してくださった方、励ましの言葉をくださった方、
本当にたくさんのたくさんの愛情をくださった皆様に、
心から感謝しています。本当にどうもありがとうございます!

らむ子さんのいなかった15日間。
涙が出そうになったけれど泣いたら悪い方向に行くように思い、自分を戒め、
絶対に見つかるまでは泣かない、と心に決めていました。


◆ ◆ ◆

そのらむ子さん。見つかったのは、
ほぼ私の家から500m先のおうちの倉庫の中でした。
いなくなった8日、気楽にその中に入ったはいいが、
シャッターを下ろされ、閉じ込められていたそうです。
それも、昨日ここに書いた情報誌を配達しているおじさんの家の倉庫。
なんでわかんないのよ怒と怒りそうになりましたが、
そこの奥さんが気づいて、うちに電話をくれたんでした。

「いなくなった子、どんな毛だったっけ」
「胸元と足首が白くて」
「ああ、間違いない。来てるよ。シャッター開けておくね」
「はい。今から伺います」

そして、そのお宅に行こう、という矢先、
らむ子さん自らが窓から顔を出して、大きな声で鳴いていた。
ほぼ、その家から歩いたか小走りで来たか、くらいの速度だった。

つい「らむ子さん!」と大声を出してしまったが、
もう家に入りたくて仕方ないらしく、私が靴を履き、
玄関の戸を開ける間も掠れてしまった声でずっと鳴いていた。
そして、がらがらがら、と引き戸を開けると、らむ子さんは飛び込んできた。

酷く痩せていた。私はそこで初めて泣いた。
外に怯え、震えるらむ子さんをぎゅっと抱きしめた。
やっと抱きしめることができた。
俯きながら、ごろごろと喉を鳴らすらむ子さんの頭にキス。

その後、缶詰めを開けると、むしゃむしゃ。
倉庫には、ねずみが出ていたらしいので、それを食べたかもしれないが、
満腹になるほど、ましてや決まった時間に食べられない。お水もない。
何よりも元々細かった体が半分ほどに、きゅっと小さくなり、
撫でると、骨に触れそうで胸がきりきりと締めつけられた。
そこの家のご主人は、見つけたら知らせる、なんて言っていたけれど、
結局、見つけても何もしないで、奥さんが電話をくれた。

探しに行った時も、本当は親切な人ばかりではなかった。
中には、猫ごときに、という顔をする人もいれば、
本当にひどい言葉を投げつけられた日もあった。

それでも、
その中の数人の優しい人が、面倒がらずに連絡をくださったのだ。
本当にありがたいと思いました。
同時に、色んな人がいるという事に新ためて気づかされた15日間でした。


***

とにかく、らむ子さんが帰ってきてくれた事が心から嬉しい。
いっぱい食べたあとは、もう目を開けながらも、
半分、瞬膜がかかった状態だったので充分にゆったり眠って欲しいです。
らむ子さん専用の猫ベッド、洗ったばかりでふかふかだ。

そして、今一度、励ましてくれた皆様に感謝を。
本当にどうもありがとう!心から愛を込めて。


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上の写真2枚は、少し怯え気味の顔ですが、
やっと少し落ち着いて、母手編みのふかふか敷物でうとうと。


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情報誌を配るおじさんが来たので、
すかさず、らむ子さんのことを訊く。
すると、うちの周りに猫がいっぱいいる、とのことで、
さっそく近所のおじさんの家に。

確かに猫はいたけれど、らむ子さんではなかった。
まっしろな猫が一匹その家でもらったらしいごはんを、
ぱくぱくと食べていた。仔猫だ。

「何匹か毎日来てるけど、今日はオスが来たから、
 どっかに逃げてったのもいたよ」

らむ子さんだろうか。写真を見せたが、いまいち要領を得ない。
けれど、その「何匹か」という言葉に目がきらり。
そこのおじさんとおばさん夫婦は猫好き。どんな猫が来ても拒まない。
そして、おじさんは毎日、情報誌を配達しているから、
また明日、訊いてみよう。


◆ ◆ ◆


それにしても、最近窓から外を眺めることが多くなった。
今日も何気なく覗いていて、雲の形に目が釘付け。

部屋の中から、かしゃ。
そして、風が強く、他の雲はさっさと流れていくのに、
この雲があまりにも形が変わらないので、もう一枚、かしゃ。
そんな、まんまる雲を見ていて思わず、目や鼻を描きたくなったのでした。


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まんまるな雲

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猫カミサマ


最初はふわふわしていたので、
綿菓子のようで、おいしそうだなあ、なんて思っていたのですが、
いざ、パソコンで見ると、あまりのまるさにむくむくとイタズラしたくなった。
とは言え、そんなに大したことはしてないけど。
こんなふうに、大きな天からのお猫さまが、
らむ子さんを見つけてくれたらいいなあ。
そして、私が探してるって伝えてくれたらいいなあ。



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連日書いている、らむ子さん捜索。
仲良くさせていただいてるブログ仲間の方や、
友人たちがたくさんの励ましをくれる。

メールやコメントで、逃げてしまった猫の探し方を、
事細かに教えてくださった方もいる。
本当に胸が詰まる想いです。どうもありがとうございます。
らむ子さんを探す気持ちが、くじけないように、
毎日、声をかけ、戻ってくるように探し続けようと思います。


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さわさわと揺れるカーテン


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猫たちが奪い合う椅子
今日は誰が椅子取りゲームの勝者かな



◆ ◆ ◆



日々の疲労がたまってしまったか、
今日は、動けず。

しかも急に、夏に戻ったように気温が上がったものだから、
その、くるくると変わる猫の目のような天気に、振り回されて。
らむ子さんはまだ戻らず。
あなたがたった今、健やかでいることを祈り続けるばかり。
私は今日、ずっと水底に沈むような体の重さを抱え、
じっと窓辺に揺れるカーテンを見ていた。

あなたは時々、ここで遊んでいた。
滅多に来ないこの部屋で。
そんなことをふと思い、感傷に浸りかけるがそれはいけないと思う。


  困った子ね。


と、私は思うが、彼女にしてみれば、


  どっちがよ。


なんて言われそうだ。
そうやって、今日という日を責めずにやり過ごす。


猫を探すのは、早朝か深夜が良い、と聞き、
朝、捜索開始。近所の子どもと遭遇。
「こんな子、見なかった?」と写真を見せて訊ねたが、
「見てなーい」とのことだった。
しかし私は猫のことを訊いただけである。

なぜに「ここにね!新しいマンション建つんだよ!」とか、
関連のない会話になるのか。うむむ。いいけどね。
しかも「しっぽ掴んだらいいんだよ!」とか言う。
いや、それは見つかったらの話で、
しかもそんな事された日には、ますます逃げますって。
でも「見たら教えるね!」と言ってくれた。

しかし、いくら人懐こいらむ子さんと言えども、
もしも全然知らない場所に行ったとしたら、
小さくなってしまうかな、と思い人様の家の車庫を勝手に覗きまくった。
で、ただ探すのも怪しまれると思い、カメラ持参(もっと怪しい?)
うちの子も忘れてはならない、というか、
寝顔がかわいくて写真を撮ってみたらこんなんなりました。↓


なな子さん

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全然わからないけど、こっちを向いているんです。
しかも顎をソファーにちょこんと乗せてるんです。
肉眼で見た時、すごくかわいくて「チャンス!」と撮ったのに、
まったくのシルエットに・・・。


くろさん

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で、じゃあわかりやすいようにアップで、
と、玄関にいたくろさんを撮ったら、すんごく怖い顔に!
本当はもっと美猫さんなんです!
これはカメラマンの腕と、
朝、という事で瞳孔が細くなっているせいですー!


ガクアジサイ

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去年の母の誕生日に姉から鉢でもらったガクアジサイ。
山から少し持ってきた土に植え替えたためか、
去年よりも花が大きく、色も濃い。


メールボックス

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左に見えるチェックの布は、
らむ子さん専用のベッドにかけてあるモノです。
いつも洗濯して、いつでもゆったり眠れるようにしています。
(ちょっと下にとんかちとか鍬とか見えますが)
時々、このメールボックスの蓋(上が開く)の中に入っては、
新聞屋さんを困らせるらむ子さん。
その新聞屋さんも「猫ちゃんどうしたの?」って心配してます。


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らむ子さん捜索、今日で3日目のA町。
そこで実は昨日、とってもかわいいふかふかの真っ白な犬に、
追いかけられた。厳密には繋いでいる紐が長かったせいか、
追いかけられた気がしただけですが、

「かわいい、おいでおいで」
と、気軽に声をかけたら、どんどん、
わんわんわんわん(って擬音がつきそうなほど)
近づいてきたので、慌てて逃げたんでした。

そして今日は、明るい内にその付近を探すと、
昨日のわんちゃんの飼い主さんを発見。
しかも、そのわんちゃんの飼い主の方が、
らむ子さんかもしれない、と電話を下さった方だった。
そして、今猫ちゃん来てるよ!と言ったので、
慌てて裏庭に回ると、いた!
が、まだ仔猫で、らむ子さんではなかった。ああ。

しかしまるで、らむ子さんが子っこになったかのような愛らしさ。
確かに胸元が白い。けれど体はオレンジ色だった。
けれど、わんさんちの隣の奥さんが、この仔猫を飼いたいらしく、
もしも人に飼われている子だったら大変なので、という事で連絡をくれた。
うちの子じゃない、と確認が取れたので無事その子は奥さんの家の子に。

既に奥さんは猫用トイレも、エサも用意してあり、
その仔猫ちゃんはゆったりとエサをかりかりと食べていた。
良かったね。奥さんちの子になれて。
それはそれで、本当に安心できたのでした。

しかし、らむ子さんはまだ来ない。
どことなく意気消沈している私と母だったが、
そこのわんさんちの方に「いつからいないの?」と問われ、
「8日からだから今日で一週間かな」と言った。
「それじゃまだわからないですよ。ひょっこり来るかも」と言って下さった。
その言葉は、何度も聞いたけれど、そのココロがありがたい。
何度も礼をして、わんさんをなでなでして、その町を出た。
あとは、またご近所を回った。案外近くにいるかもわからない。


***

そんな訳で、最近時間が過ぎるのがいつにも増して、早い。
明日は近所と堤防捜索。隣町付近も父に車を出してもらい捜索。
大好きなかりかりとキャリーバッグを持って。
早く、らむ子さんの極上の喉を鳴らす音を聴かせておくれ。


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今日も起きてからすぐ支度をして、らむ子さん捜索。

昨日行ったA町に今日も出向き、
歩いていた人全員に写真を見せつつたずねた。
中には犬のお散歩中だった人もいたが、みんな話を聞いてくれた。

A町は、サッカー場がすぐそばにある。
夕飯後にぼんやりとサッカー少年たちを見ていたおじさんがいて、
その方にも、おずおずと訊いてみる。

「昨日の朝方、こんな子いたなあ」と仰ったのですぐさま、
その方のお庭を歩かせていただく。見当たらず。
見せていただいたお庭には、ひまわりもたくさん咲いていて、
のんびりと午後を過ごすその町の住人たち。
らむ子さんを探す、という目的でなければ、
ゆっくりとカメラ片手に散歩でもしたい場所だった。
ありがとうございました、と言って家に帰った。

今日のろでちゃん
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そうやって目を閉じてるとシルエットみたい。
何より、箱から体がはみ出してるよ。


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思いの外、早々と「探し猫」に掲載してもらった。
小さい記事。でも見てる人はきっと見てる。
画像は手描きの文章と、こんな子という写真。
まだ写真は載せていない。これでしばらく様子を見て、
連絡が一切なかったら、次はこのらむ子さんの写真入りのを頼もう、
そう思った矢先、らむ子さんらしき猫が、うろうろしているという電話が。
夕方7時過ぎだったが父に車を出してもらい、
懐中電灯、猫用キャリーバッグをたずさえ、いざ出発。
向かう先のA町は同じ市内でも結構遠い。
猫の足で、そこまで行くだろうか。住みなれた地を離れてまで。
そんな疑惑を頭から追い払い、とにかく、行くべし行くべし。

夕暮れのA町は、行きなれていない風景のせいか淋しく、
影までいつもより濃く感じる。

らむ子さーん。
らむ子さーん。
と、呼びかける。反応なし。

らむ子さーん。
おいしいごはんあるよー。
缶詰めちゃんだよー。

相変わらず、反応なし。
父を車に置いて、随分遠くまで歩いたためとりあえず引き返す。
様々な民家の庭にお邪魔させていただいたが気配なし。
普通の知らない猫でも、人が歩くと反応がある。今日は諦めよう。

数年前の夏の日、
らむ子さんはまだ仔猫のように小さかったのにお腹が大きくて、
でも内には4匹もいるから飼ってあげられない、
そしたらどんどん仔猫が産まれ、猫が増え、
もしかしたら恐怖の猫狩り、何て言うのが回覧板で出回り、
らむ子さんが保健所に連れていかれるかも知れない!

なんて、思っていたら、見知らぬ方が避妊手術を施してくださった。
きっと何万も出して、家猫でもないのに手術費用を出したのだろう。
その時も近所に出向き、聞き回った。しかし結局名乗り出なかった。
もしかしたら訊ねた人の中に本人がいたかも知れない。
その人は、らむ子さんの生きる道を作ってくれた…。


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今日は、地元発行の情報誌の編集さんに電話。
(って内容は私が書いて母にしてもらったのだが)
2~3日後に「探し猫」として、らむ子さんを掲載してもらうことになった。

そしてまた外に探しに。近所の床屋さんやコンビニの店員さんに聞き回る。
が、見ていないとのこと。らむ子さんは、近所のみんなから、
「みーこ」なんて勝手に名づけられたりして可愛がられていたので、
「いなくなった」と言うと沈痛な面持ちになり、
「早く見つかるといいね」と言ってくれる。
我が家だけでなく、近所にもアイドル視されているのだ。

今ちょうどどこかのオス猫にさかりが来ていて、
この間、らむ子さんを追いかけていた事があったが、
その猫から逃げて遠くまで行ってしまったのか。
だとしたら「猫の勘」で早く戻っておいで。


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今日も、らむ子さんが戻らない。
堤防まで行き、近所の方に聞いても見ていないという。

広告に出してみたら?と案をもらったので、
さっそく、らむ子さんがきちんと写っている写真を探し、
毎日配布されている情報誌の編集部に持っていくことにした。

つい最近、写真を載せたばかりなのに。
ついこの間まで、なでなでできたのに。
どうして?
どうして突然?
どこに行ったの?
今はどこにいるの?

必死に探そう。
そして、元気ならむ子さんに無事会えたら、
思う存分、なでなでしたい。
私の腕に抱きしめたい。

だけど、もしもね。
人懐こいあなたが、心ある誰かに飼われて、
あなたが家に戻らないとしたら、それでいいんだ。らむ子さんが幸せなら。
生きていて元気でいてくれたらいいんだ。
だから、あなたを探しているの。

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