First Kiss

幸坂かゆり Weblog

カテゴリ: 書き物関連

小説の更新は久しぶりです。
「微エロで32のお題」29作目を「L'oiseau Blue」にて公開しました。
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「埋み火」(うずみび)
http://blog.livedoor.jp/y_yukisaka/archives/52274817.html

埋み火とは、火鉢を消した中で完全に消えきっていない火、つまり種火のことです。
この種火によっていちから火を熾すより早く火が熾るようになります。
私がこの言葉を使ったのはどんな燃えかすの中にも火はある、というもので、
お釈迦様の説法の本にも書いてあって参考に読みたかったのですが見つからず。
きっとこういうのってあとから忘れた頃に出てくるんですよね(笑)
もう消えてしまった火も実は隠れているだけで残っているのだと、
その部分を恋に置き換えて書いてみました。

タイトルに火を使用しているけれど裏のもうひとつのテーマは水です。
だから最初、タイトルに迷ったのですが水を主体としたタイトルにしようとすると、
どうも横文字ばかり浮かんでしまって、それも悪くはないのですが、
今回の小説に限っては日本語がいいなと思い「埋み火」を選択しました。

ずっとメモ帳などに思いついたことをつらつら書き、
アイディアが少しずつたまっていった頃、
気づくと充電期間に入ってから5ヶ月が経っていました。
あの電池切れの状態のときはもうこれ以上何も書けないのでは、と、
思っていたほどなのに、またこうして書くことができました。不思議ですね。
もちろん適当なものではありません。適当どころか今回書いた小説が、
今後自分のテーマになるような気がしています。
その種火のようなものが文章の中に埋め込まれているのだと思います。
今回はお題ありとは言いながらないようなものだったので、
完全に書きたいものを書きました。起も結もないまったく自由な小説。
自由だから下手したら物語すらないかも知れません(笑)
でも私が望んでいるのは実はその「物語のなさ」で、
揺れたまま答えの出ない文章を書き続ける旅のようなものを綴っていきたいのです。
今回の「埋み火」はその決まった方向性での一作目としてちょうど良かったと思っています。

なのであらすじは、と言われると、少し困ってしまうのですが(笑)
ジャンルとしては恋愛です。故に性描写も少々ございます。
起承転結のはっきりした小説がお好きな方にはつまらないと思えるかも知れませんが、
これが幸坂かゆりの目指すものの一歩です。
どうぞご一読くださると嬉しく思います。

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バレンタインも終わり(なにもしていない)15日になりました。
今日2017年2月15日は、私が小説を応募した賞の締切日です。

実は文学賞のような公募をしているものに応募するのは初めてなので、
実に不思議な気分を味わっております。
自分の中で納得のいくものを仕上げて投稿したつもりですが、
なんの賞にもかすらなければ大賞を獲った方の作品を読み、
自分の作品と比較してみようと考えています。
自分の作風を変える訳ではなくてもしかしたら、
その賞の趣旨に私の書いたものが合ってないだけかも知れないじゃないですか(笑)
小説家を目指すということは心の中に山あり谷ありだと思うし、
何度応募して落ちたところで終える訳にはいかない理由がありますから、
賞が獲れなくても落ち込むところではないと思っています。

そんな訳で、唐突ですが昨年、私比でたくさんの小説を書いたと思うのですが、
好きだなと思うものと、あ、これは、と隠したくなるものなど多様でした。
2016年末に近づくにつれ、電池切れ騒動(私の中で)が起きていたので、
ほとんど全滅なのですが、色々書き直す設定や箇所がありつつも、
一番自分らしさを出せた小説がふたつありました。
お題小説なので当然お題ありきですべて自分の力ではありませんが、
お題を膨らませて溶け込ませて自分のものにするという結果を作ることはできたものです。
ひとつは「涅槃の子」
もうひとつは「咲き乱れる」
「涅槃の子」は非常に好評で、私も久しぶりに力の入らない小説が書けたので、
プロの方に講評してもらったところ、とても嬉しい言葉をいただきました。
「咲き乱れる」についてはそれほど手ごたえは感じませんでした。
もちろん批判を受けたわけではありません。
けれど投稿先のお題ブログの管理人さんが少し無理されてるかなと(笑)
寸評に気を使ってくださっているような印象は受けました。

私の目標とする文章は起承転結のはっきりした物語に重きを置くのではなく、
オチがあるのかすらわからない、なだらかな、けれど読み応えのあるもの。
もちろんはっきりとした指標はあってただつらつら書くのではなく。
2004年からネットで小説を書き始めてその後2014年頃、
何かに憑かれたように本を読み、その気持ちが膨らんでいきました。
そこからは何を書いても物足りず、その物足りなさに描写不足というものがあります。
説明ではなく描写。言葉にできないものを見えるものにすること。
多分、これは一生の課題だと思います。
これまでもマシかなと思えたのが上記ふたつの作品であって納得するものはありません。

過去に素人ではありますが、マンガを描いていていくつか応募したことがありますが、
結果は散々でした。自分でもこれは落ちるだろうな、と心のどこかでわかっていながら、
「せっかく描けたからもったいない」という甘えがあったまま原稿を送り、
当然ながらびしっと厳しい評価をしていただきました。
中学生だったのでとても傷つきましたが、あんなに稚拙な、
半ば投げたような原稿を読んでくださったことに感謝をしております。
マンガはそれからも批評に書かれた課題をクリアする努力をしつつ、
数作品描いて最終的に「少し古い」と言われたところで止めました。
マンガはよほどのことがない限り時代と共に生きていくものだと思っているので、
その言葉は私にとってマンガ投稿の終焉を表していました。

そこから紆余曲折があり、書かずにはいられない体質の私が思い出したのは、
あらすじに数ページかけていたことでした。
ここまで書くならいっそ小説にしたらどうかと思い、それが小説の始まりでした。
なので、私の書いた小説に時折「マンガのような」と形容されることがありました。
どきっとしましたがとても光栄でした。文章の頭に「上質な」とついていたからです(笑)
やはり経験は素直に表に出てしまうのだなと思いました。

勉強という言葉ほど小説を書くのに似合わない言葉もないと思いますが、
日々様々な「想う」感情やこれまでの経験に心を震わせながら、
書きたいことを可視化させ、これからも言動だけは偉そうに書いていこうと思います!(笑)

※上画像撮影 京ノ紅猫(クリックすると大きくなります)

随分と時間をかけている「微エロ?で32のお題」ですが、
幸坂小説ブログ「L'oiseau Blue」にて28作目を更新いたしました。
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Planet Love
http://blog.livedoor.jp/y_yukisaka/archives/52268810.html

かなり時間が経っておりますので説明をいたします。
こちらは32個の小見出しのような短いお題があり、
そこから物語を膨らませて小説を書くというものです。
しかし当事(2006年頃?)投稿していたサイトが閉鎖。
その後、あまりにも私がゆっくりしているうちにお題元サイトも閉鎖。
途中まで書き上げたサイトは表示もされなくなってしまい、
タイトルやキャッシュなどで探し回って見つけ出し、
拙ブログに掲載し直しました。その頃の私はコピペというものを知らず、
いつもぶっつけ本番で投稿していたので下書きが残っていませんでした。
そんなこともあり2006年とは書きましたが、年月日については既に定かではありません。

そんな博打的な書き方をしていたことと、あまりにも時間をかけてしまったことで、
恐る恐る1作目を読み返してみると、書き方はもちろん感覚や思想というのでしょうか。
そういうどこか表現の仕方が違うため読んでる途中で激しく赤面しました。酷いです。
作者本人が赤面するくらいですから読者の方はもっと赤面すると思います。
そんな訳なので初期のお題小説はもう無視してください。
もっと言えば読まないでください!なかったことにしてください!(笑)
今はコピペ、下書きなどパソコンの基本は何とか憶えたので大丈夫です(今さらか)

今回は32作目中28作目、テーマは「撫で回す」でした。
撫で回す、という言葉から、うわエロいと普通に感じましたが、
32のお題当初のテーマである「微エロ」という部分をどんどん省きたくなり、
何作目からか、お題の言葉そのものは使用するとして物語は勝手に書くようになりました。
今回の「Planet Love」では舞台を冬に設定し、
「撫で回す」のは手の冷たさをほぐす、という描写になりました。
そしてここのところ、遠ざかっていた恋愛のジャンルになり、自分で驚いています。
少々SF風味ではあるかも知れません。慣れてませんが(あかん)

次回29作目のテーマは「愛撫」です。
何となく今回と被っていると思うのですが、自分なりに言葉の違いを解釈して、
一生懸命書いていこうと思います。
あと4作!とか一丁あがり!という書き方はしたくないのですが、
さすがにもう10年以上経っていると、書きたいものも興味も変化しているので、
できるだけ早く、書けるうちに終了できるのを私自身望んでいます。
もしもひとりでも読者の方がいてくれるなら幸甚に存じます。ぜひ、ご一読ください。

※上画像はTumblr
  『Sundiamonds of Life』 http://sundiamonds.tumblr.com/  より。

いきなりですが、
第65回Mistery Circle」さんにアップした私の小説に訂正がございます。
タイトルは「Lily's Mysterious Days」となっておりますが正しくは「I love you」です。
訂正前のタイトルが公になったときは本来のタイトルを恥ずかしく感じて、
諦めてしまいました。しかしその後、どうしても落ち着かなかったため、
もう一度管理人さまに連絡を取り直しました。このあと訂正してくださる予定です。
今もまだ以前のままになっておりますが、先にこちらで皆様にお伝えします。
個人的に裏側の見せたくなかった部分をお見せしてしまい、非常に残念に思います。
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そんな訳で2016年、締め切りのあるものはすべて書き終えたので、
自分が今年書いた過去の作品を読み返してみると、
ふと、スランプ時期が思い出されて冷や汗をかきました。
 
ものすごく苦労して「作った」形跡がはっきり読み取れてしまって。
多分、思うように書けないことからより慎重になり、
自分の思う「完璧」を作リすぎてしまったのだと思う。
だからどこかが過剰になる。オチがつき過ぎる。
もちろんそれはひとつの作品として失敗作とは思わないけれど、
でもどこか自分の設定する矜持に反しているので気持ち悪さがある。
小説の完成に安堵しただけで心が完成しない。
何かを書き忘れたように、ひどくざらざらとした感触のまま皮膚に残る。
そこで勝手に傷つき、落ち込む。疲れているのですぐ次に向かうこともできない。
次の作品に向かおうと思えるまでもどかしい時間を過ごす。

更に、書き終えて読者の目に触れてしまえば、
作品の判断は読者に任せてしまうので、
その悩み苦しんだ自分にとって、もやもやした作品だと思っていたものが、
案外読者受けは良かったりして書き手側は混乱する。
本来そのような乖離はない方がいいに越したことはないけれど、
なかなかそのようにうまくは行かない(もちろん逆も存在する) 
自分ひとりだけでも様々な側面が存在するのだから。

けれど、どこかで自分の文章のズレを感じ、矯正する。
慣れていくとまたズレが起こる。その繰り返しの中で、
触れたり、巡り合ったりして「よし!」と思うものが書けるのかも知れない。
どちらにしても色んな物事に触れていなければ、
触発されることもないので充電期間は必要で、
100パーセント充電されたらまた始動できる………と思います。

最後、ちょっと弱気になりましたが、
今年はさすがに書くスパンが短かったなと思います。
1年に6作書いたということは2ヶ月に1作の計算になるので、
充電中の時期があったのかも知れないにも関わらず、
むりやり放電していたのでしょう。
そのまま12月に入り、充電が追いつかずとうとう電池切れ。
充電中の放電だから漏電もしていたのでしょう。
突然ぷつん、と切れて何も書けなくなった。今現在その状態です。
もちろん、1年の間に素晴らしい本、映画、音楽、芸術等に触れました。
そこからせっかくいただいたパワーに対し、消化させられなかった。
感情が揺り動かされる大きな出来事もあったのに、
書くために懸命になりすぎてどこか心の片隅に置いやってしまっていた。

来年はきちんと消化し、充電する期間を設けようと思います。 
そうでなければもったいないし、愉しんで苦しめない(笑)
何よりも、満足できるものを書きたいし、読んでもらいたいから。

追記:
「Mistery Circle」さまサイトにて、
タイトルの変更が無事行われました。管理人さま、
お手を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした。 

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参加させていただいているお題小説サイト「Mistery Circle」様にて、
今年最後の小説が更新されました。
今回いただいたお題。

起 どうして、恋愛しなきゃならないのかなあ。
結 冬の夜の冷たい闇に、ふたりぶんの白い吐息が解けて消える。

お題自体は念頭に入れつつ、台詞には登場しておりません。
テーマとして自由に書かせていただいております。 

「I Love you」(Lily's Mysterious Days 改題) 幸坂かゆり
http://misterycirclenovels.blog.fc2.com/blog-entry-472.html 

今年最後、ということであまり不吉な感じで終わりたくなく、
幾分ファンタジーな物語を意識したので暴力描写もなくR18でもありません。
ぜひご一読くださいませ! 

あとがきにも書きましたが、
私がMistery Circle(以下MC)さんに参加してから10年になります。 

以前、3作ほど書かせていただいたあと、卒業という形にしたのですが、
その後、サイトが閉鎖。しかし、そのときお世話になった管理人さんが、
もう一度復活させたいという趣旨のことを語っておられて、
そのときスランプ時期ではあったのですが、
以前、大変お世話になったので少しでも恩返しができたら、という想いで、
再び参加をさせていただいています。
書ける場があるのは大変光栄なことです。
スランプとか言ってる場合じゃないです。

このMCさんには本当に助けていただきました。
勇気ももらいました。正直、このサイトがなければ私は道に迷い、
もう書くことすらしなくなっていたかも知れません。
(その割には今回のはちょっと…いや一生懸命は書きました…はい)
お題、と言いながらお題無視で進行したり、
物語の中に溶け込ませるという掟破りを数々犯しておりますが、
ひとつひとつこつこつ書いてきた作品が自信へと繋がっていったものです。
これからも、スランプなどドアと一緒に蹴破って、
何ならスランプごと抱きしめてでも書き続けて行こうと思います。
今一度、宣伝ではございますが、ぜひご一読くださいませ。

◆ ◆ ◆

上画像は少々生意気ながら賢さを感じさせる女の子として、
モデルにしたリリー=ローズ・デップちゃん。

お題小説ブログ、Mistery Circleさま(第64回目)に掲載していただきました。
今回はひとつに絞れず、2作品書きました。

今回、私にいただいたお題は、

起 裏切ったのは、あんたの方じゃないか。そんな台詞が頭に浮かんだ。
結 その左手は義手だったのですね?

と、いう文章でした。

「砂時計の住人」
http://misterycirclenovels.blog.fc2.com/blog-entry-455.html

「軌跡」
http://misterycirclenovels.blog.fc2.com/blog-entry-456.html

ふたつとも関連性はなく、別々のお話です。
「砂時計の住人」は若干、暴力描写がございます。苦手な方はどうかお気をつけてください。「軌跡」はふたりの女性の終末と再生の物語です。こちらは暴力も性描写もございません。それでもふたつとも読んでいただけるとありがたく思います。ぜひご一読くださいませ。

最初にお題を受け取ったとき、裏切りや乱暴な台詞だったのでとても悩みました。そして義手。義手に関しては山田詠美さんの短篇小説でとても敬愛する作品があり、その物語を思い出してしまうとどうしても自分で書くものが陳腐に思えたので、そこから自分を切り離すのが個人的に最も大変な部分でした。

そして、今回、自分の中で「まるまる影響を受ける時期」と「この辺でやめておいて書くことに集中する時期」というのを、自分の中のキャディさんが完全に読み間違いました。書く段階に入らなければならないのに、読んだもの、観たものの影響が強く、なかなか取り掛かれない上に、影響がそのまま物語に反映されてしまい、何度もやり直しました。7作くらい物語を作り、6作目くらいに書いたものを採用して、何とか物語を膨らませ、いたはずの人物を削り…なんと言うか、MCさんに初めてお題小説を投稿したときを思い出しました。

いただいたお題は初見で、あ、書ける、と直感で思うものは、大体うまくカチッと嵌り、筆の進みも速いのですが、うまく嵌らないとお題という縛りが急に窮屈に思えます。最初は何もかもが初めてだったので、とにかく窮屈でたまらなかった(今だから言える)MCさんの中でもかなりのベテランになった今はお題の文面をかなり変化させたり、お題そのものをテーマにしたり、と応用を利かせられるようになったのですが、今回はその私の中のキャディさん(しつこい)のせいで、ほぼ何も書けず。もとい、書けるのだけど私の文章じゃなくて、影響を受けたものの受け売りのようになってしまった。なので、少し休憩してとにかくお題小説から離れてみました。そのおかげで、アイディアはたくさん貯まったのですが、いかんせんひとつの小説を書くには多すぎました(笑)いくつかのアイディアがまた、別の作品で発表できるよう活かしたいと思います。

小説を書いていたのはちょうどリオ・パラリンピックの真っ最中であり、そのことからも「義手」という言葉に敏感になりました。特別に普段からも差別したことはないし、身近にもいた。けれど物語の中に入るとどうしてもそれは特別な要素になってしまう。そこだけが目立たないよう取り組んだつもりです。

では今いちど、ぜひ読んでね!


お久しぶりです。
久々のブログは小説更新のお知らせから。
物書きさん応援サイト「Mistery Circle」さまにて、
新しいお題小説を2016年8月3日、アップロードしていただきました。
ぜひ、ご一読くださると嬉しいです。

「涅槃の子」  / 幸坂かゆり
http://misterycirclenovels.blog.fc2.com/blog-entry-447.html

私の小説ブログ「L'oiseau Blue」からも読めます。(上記と同じ内容です)
http://blog.livedoor.jp/y_yukisaka/archives/52261132.html

タイトルに涅槃とはありますがホラーではありません。
ただ若干、暴力描写がありますので苦手な方はご注意ください。
ゴザンス時代の私を知っていて、もしももう一度読もうか迷っている方、
あの頃の私の小説が平気でしたらこの物語も大丈夫だと思います。
抽象的ですいません(笑)
短篇ですのであらすじを書くと、
ほぼストーリーを書き写しになってしまう恐れがあるので控えてます。
今回の物語を作る上で重要なビジュアルイメージになったのは、
安達祐実さんのオフィシャルサイトの写真でした。
日常を写す安達さんの姿は普通なのだけど、
やはり一般人ではない個性が際立っていて素敵です。
彼女の佇まいには狂気を孕むものもあり、
大きく影響を受けました。
今回はその影響を元に短篇を書きました。
本当に彼女の瞳は素晴らしいです。

書き終えたのは先月初めだったので、
細かい記憶は既に手放しつつあります。
今はこれから出題されるお題に向けて新しい本を読んだりして、
心の風通しを良くしているところです。
実は、ほっとしたこういうときが一番気が緩んで怖さもあります。
次回も参加予定なので、今からどのようなお題が出されるのか、
楽しみなのはもちろんのこと、スリルも感じたりしておりますので…。
(だって最近のお題、本当に難しいんだもん) 

ところで、昨日更新しようとしてこの記事を書き始めたところ、
寝落ちてしまい、今日になりました。ああ…。 


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5月30日、
物書きさん支援お題小説サイト「Mistery Circle第62回が更新されました。
幸坂かゆり、トップバッターでございます。ぜひご一読ください。

「咲き乱れる」 幸坂かゆり
http://misterycirclenovels.blog.fc2.com/blog-entry-434.html

今回の登場人物には珍しく名前があります。
設定は日本。私自身が育った場所を織り込んだお話なので、
少しはリアルな感じが出せたかな、と省みつつ改めて読み返しました。

田舎町に住む父母と3兄妹の5人家族。
長兄、薫、次男、慶、末子である聡子。共に20代。
物語は聡子が一人暮らしをすると言い出すところから始まります。
人間として心身ともに成長を続ける中、特別なとある感情はいつまでもその場に留まり、
心の中では蕾のままでいる。その蕾はどういう方向に向かうのか、
花の成長記録の中から数ページ切りとったようなお話です。

2日ほど前、雨が降ってヨドガワツツジの花首がかくんと垂れてしまいましたが、
この時期は本当にどこのおうちにもたくさんのツツジやサツキが咲き乱れています。
天然なのに人口で色づけしたかのような鮮やかさは、
じっとその場で眺めていると異世界に迷い込むような神秘さがあります。
その神秘に自ら迷い込み、多分この小説を書かせてくれたのでしょう。

ええと、実はもう既に次回のお題が出されていて、
非常に切羽詰った状態になっております(笑)
それでも、何と言うか充実していて、
絶対書いてやる、という気持ちがふつふつと沸き上がります。 
苦しいけれど、書くことが好き。読むことも同様に。
では次の作品のためにまた心に情報を色々と貯めて挑みたいと思います。
今回新たに出されたお題も難しいですが、とても美しいものをいただいたので、
これはぜひ書かせていただきたく思いました。

それではまた次回。
そして「咲き乱れる」読んでね! 

※上画像はおうちの庭、5月のヨドガワツツジとサツキ。鮮やか。 


fox-corner

拙著「哀しみのための夜想曲」(デザイン・エッグ社)
「花の名残り」(電子書籍 Kindle / Kobo)ですが発売して半年経ちました。 

ありがたいことに最近になり、
ぽつぽつと感想をいただくようになりました。
読書メーターで読んでいただいた言葉がダイレクトに伝わります。
感想を見つけると嬉しくて読みに行きます。が、これ、野暮ですよね。
何より次回本を書いたとき、読んでくださっても感想が書きにくくなりますよね…
しかしそこはどうかお気を遣わず、おかしいところはおかしいと、
正直に仰っていただけるとありがたいです。ただの文句はいやですが(笑) 
これからも長編にも挑みつつ、お題小説など短篇も書いていこうと思っています。

こうして感想をいただいたり、次回作などを考えている間にも、
素晴らしい作品をたくさん読んでおります。
ちょうど昨日ル・クレジオの「隔離の島」を読み終えました。
素晴らしい作品でした。読むのが遅いのと厚い本ということで、
かなりの時間を要しましたが、読み終え、ぱたんと本を閉じると、
身体の中に幸福感が広がっていきました。
こんな読後感が味わえるような小説を書きたいと思いました。

たとえば、美しい水平線を見た時、そこを到着地点だと目指して泳ぐ作家と、
目指さず、眺めながら並走して泳ぐ作家とに分かれているように感じます。
前者は伏線を回収し終わりのはっきり見える小説を書く作家さん。
もちろん、読むものとしてそういうサスペンスや推理、ミステリーなどは大好きですが、
私が書けるもの、目指しているものは後者、水平線が答ではなく、
その美を見つけた感情をひたすら書き続ける作家さん、そちらです。
頭と指先、心と感情のすべてを注ぎ込みこみたいと思います。

話が飛びました。
本当はいただいた感想をすべて載せたかったのですが、
まだ誰の許諾も得ていませんでした。
これから別の形で新めて掲載させていただこうと考えております。
それまでに許可を得に走ろうと思います。

私の本を手に取ってくださったこと、本当に感謝しております。
これからもがんばります。どうぞよろしくお願いいたします。


◇ ◆ ◇

上画像はTumlrのfox-cornerさまのブログ、
「The ash of memory.」より本に花。それはプレゼントのように。
http://fox-corner.tumblr.com/ 


物書きさん応援サイト、
第61回「Mistery Circle」が更新されました。

今回のお題文章は数個用意してあり、
その中から書き手が書きたいと思うものを選んで書く、というものです。
その文章とは、

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 ・ 私はその薬がどのような作用を持っているかあらかじめ知っているからである。
 
 ・ 部屋全体を闇が呑みこんでしまった。
 
 ・ 想像や仮説好みの傾向がここほど有害でない場所は他にないだろう。

 ・ それは彼女が私に残して行った最後の期待であった。

 ・ しかし、私は、驚くべき奇蹟の時代はまだ永遠に過去のもの、
    となってしまったわけではない、ということを固く信じた。

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以上、この中からどれを選んで書き始めてもオッケーというルールです。
私は起を「部屋全体を闇が吞みこんでしまった。」
結は「それは彼女が私に残して行った最後の期待であった。」 を使用しました。
かなり文章は崩しておりますが。 
この共通お題は「バトルロイヤルルール」と題してはありますが、
別に戦うわけではございません。
ただ、色んな方が自由にお題を選ぶので、
自分が選んだものと重複する場合も大いに考えられるので、
いつもとはまた違った緊張感もありました。どうぞご一読ください!

・幸坂かゆり「Mind Dance」
http://misterycirclenovels.blog.fc2.com/blog-entry-424.html

今回お題と共に「死」がテーマでした。
少しだけ死に敏感になっていた私は迷うことなく参加しました。
どれほど難しいことになるとしても。
書き手はフィクションであっても、いずれ必ず自分の持つ死生観というものを、
書いておかなければいけないような気がしたので。

最後に載せるのは「Time」という曲の動画です。
デヴィッド・ボウイ氏の有名な曲。
今回の小説を書くにあたり、大きなイメージをいただいた作品です。
歌い手は違いますが、出演されているのはリンゼイ・ケンプ氏。
彼はイギリスの偉大な舞踏家であり、マイムアーティスト。
1970年代、ボウイ氏の「Ziggy Stardust concerts」ツアーにも出演した、
いわばボウイ氏の師にあたる方ですが、そのケンプ氏が、
美しい歌声で歌う Camilla Fascinaさんと共に、
ボウイの曲に新たな血肉を付けた舞踏とマイムを披露しています。
その表情は胸が締め付けられるほどでした。

多大なる感謝の気持ちを捧げたいと思います。
偉大なアーティスト、ボウイ、ケンプ、そして受け継いだカミラさんへ。 

『Time』
 
 
※ブログの改行上、お題文章の句読点を改ざんいたしましたことをお詫び致します。 

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