相反するもの、が好きだ。
哀しみを哀しみで、喜びを喜びで、表現するものは苦手だ。それは「芸術」に関してだけれど。
哀しみを哀しみで、喜びを喜びで、表現するものは苦手だ。それは「芸術」に関してだけれど。
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今夜の「夢・音楽館」のゲストの一人、クミコさんは昨日も書いたが、作家、田川ミメイさんのご友人である。私はクミコさんの曲を実は初めて聴いた。
1曲目は「翼をください」
小学生の頃初めて聴いて、なんていい曲だろう、と思った曲。その歌い出しから釘付けになってしまった。ふと見ると微笑みながら歌うクミコさん。この人がクミコさんかあ、とじっと見た。イッセー尾形さんとのやりとりを挟み、再び曲へ。
「わが麗しき恋物語」
白いドレスでピンク色の照明の中歌い出すクミコさん。
人生は愚かだ、と歌うクミコさんは、でも決して「愚か」だけではない感情を含んでいる。淡い微笑みも手の中に残る孤独も、クミコさんのまなざしは、深く深く人生を物語る。
私はこの曲を歌うクミコさんを見て涙が止まらなかった。表現、とは人に伝えるもの。下手すると、その中で自分を見失う危うさを持っている。クミコさんの歌は命をかけているようにも見えた。けれど、それは弱々しいものではない。その命の表現に私は涙したのだと思う。
その後、またトークに移ったのだがイッセー尾形さんが、彼女が歩いて立ち止まった所はすべてステージになる、と言っていて感心。そしてクミコさんはそれに対して自分が公園に行った時のエピソードを話した。
緑の中にいる時、自然に歌が出て来た、と。それは「声」であって「言葉」ではなかった。「シャバダバ~」で歌ったその歌は確実に自分の為に歌ったものであった、と。そんな方法を知っている人だからこそ、あんなふうに歌えるのか、と思った。彼女の曲は聴いてみなければうまく伝えられない。こんな下手な感想なんかより聴いてみるのが一番早い(笑)
そして、私を泣かせたクミコさんは、最後に「わたしは青空」というまたまた涙腺を刺激する歌を歌った。けれど悲しい涙ではない。クミコさんは歌う時、何を見ているのだろう。彼女の心の景色を、あの微笑みの辿り着く所を、見てみたいと思った。歌うクミコさんの歌う宇宙の中は、果てしなく広い。クミコさん自身のために、そして私たち聴き手のために、歌い続けて欲しいと願う。
ところで、この番組を久し振りに見たのですが、今、桃井かおりさんはトークをしていないんですね。最初にちらっと出演しただけだった。残念かも。
今、クミコさんの余韻に浸りながらこんな時に似合う飲み物は何だろう、と考え、ひとつの飲み物が浮かんだ。極上のシャンパン。しゅわしゅわと溢れ出す金色の泡。口の中で切なく弾けるその泡はクミコさんの曲のように鮮やかで、胸の中にそっと広がって行く。そして、ひとくちごとに酔っていくのだ。
えと。
クミコさんの他にもゲストの方がいらっしゃったのですが、今回はクミコさんを中心に書きたかったのでそこのところはご了承下さいませ。
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そして、更に今日は昨日からの楽しみごとをすべて実行。
で、大澤さん(やっぱり出してしまうお名前)の11月のイベントの写真がファンクラブのサイトで更新された。私はなんか大澤さんからえらい遠い所で写っているが半目で(笑)でもリラックスして写っていたので満足。でも、もっと笑えよ、私、と思う。