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23日、午後に遡ります。

M姉さんと私とBさんが揃ったところで、
店を出て話題の「H&M」と「フォーエバー21」に、
寄ってみよう、ということにする。
行列ができていてヒドイ場合はスルーで、と3人共意見が一致。

もちろん混んでいたけれど、
まあまあ、怖気づくほどでもなかったので並んで入ってみる。
安い。まるで「しまむら」みたいd(略)
しかし若いなあ。歩きながら話をしたけれど、
10代の女の子たちにはたまらないんだろうなあ。
私たちは疲れたので、原宿駅へと急ごうとする。
しかし、短い距離なのに混んだ道は人の渋滞でなかなか動かない。
抜け道だという小さな路地も結婚式の新郎新婦の通り道であり、
式をやっている日は通れないそうで、
一か八かで行ってみると見事に式のある日だった。
私たちはまた原宿、竹下通りに戻った。
香水やアイスクリームの甘い匂い。
この混みように慣れているのか、
犬の散歩をしている人まで見かけた。

そこをキャリーバッグをごろごろ転がしながら、
どこかつまらなさそうな顔をして歩く、
若い二人連れの女の子とすれ違った。
二人とも、ゴスロリファッションで身を固めていた。
すれ違ってからBさんは言う。

「個性を丸ごと消してるね」

うまい言葉だと思った。
多分当人は個性を大事にしているつもりだと思う。
けれど雑誌から抜け出たような、という表現は、
実は褒め言葉ではないのかもしれない。
しかし、若い頃は何もかも勉強になるから、
彼女たちの格好もきっといつか大人になったとき、
自分たちの若かりし日を写真などで目にして色んなことを思うのだろう。
もちろん貫けば、それはそれですごいことだ。

そう言えば話は前後するけれど、
花になぜか敏感になる私は、北見であまり目にしたことのない花を見て、
姉さんに「あれはなんと言う花?」と訊ねた。
「さるすべり。木の幹がつるつるだから、猿も落ちてしまうということから」
と、詳細を教えてくれた。
近くに行って確認すると本当につるつるで、これは滑って落ちちゃうな、
と、感心して花びらも触ってみた。
木の佇まいとは裏腹に柔らかくて頼りなげだった。(写真を撮るのを忘れた)

話を戻しましょう。混みあう中を抜け、
原宿駅発見。私たちはもう時間もなくなったので、
帰途に着くための電車待ちをした。
そこで、背中から涼しい風が吹いた。
ふと振り返ると、背後はたくさんの木があり、
そこは明治神宮の敷地だった。なるほど。
やはり神社仏閣というのは「気」が整っている。
地下鉄の人工的な風と違い、安心して呼吸のできる風だった。
自然の力を全身で感じた。

間もなく電車が来て、駅から駅へと乗り継ぎ、
どこの駅か忘れてしまったのだけどBさんと別れるときがきた。
互いに「また会おうね。絶対ね。気をつけて」と手を握り、さよならを言った。
涙のかわりに、笑顔で希望のさよならをすることができた。
Bさんの手を振る姿が瞼の奥に残っている。


そして、羽田空港に向かう電車へ。
姉さんと私は竹下通りで少し疲れてしまったのか、
口数が少なかったが、私は心の中でどうやってこの感謝の気持ちを表していいのか、
言葉や態度がわからなくて、もどかしい気持ちでいた。
口に出すと何だか言いたいこととは別の話が口をついて出る。

そう。あのときの会話。
姉さん、憶えているかな。
私は自立したい、なんて言っていた。
東京に住みたい、なんてことも言ってた。

しかし、今冷静に考えたらやっぱり違うのだ。
自分の考える自立、というのはもちろんしたいけれど、
東京には時々来るから良いのであって、住もうとは思わない。
そして、一人暮らしをするための自立ではなく、
北見にいる母を支えていくための力としての自立をしたいのだ、
と、しゃべっている途中で思った。
姉さん、私の話はいつも曖昧でおとな気がなくてごめんね。
そんなところも一生懸命、勉強したいのだ。
このまま東京に来ることがなくなれば、
きっと私は曖昧な表現しかできない人間のままだろう。
失敗だと感じたらチャンスだ、と頭を切り替え、
次に会うときは、もどかしさなんて消してしまいたい。
だから、このような私と一緒にいてくれて、ほんとうに感謝しています。
今の私なりにできることを一生懸命がんばって行きたい。
姉さんやBさん、STBで会ったたくさんの友達、
大好きな人たちに呆れられたくない。
過ぎ行く景色はうっすらとそんな私の気持ちを映す。
この気持ちを忘れてはならない。決して。

羽田空港到着。
搭乗手続きを終えたあと、時間がまだあったのでお土産を物色。
いつもは手のひらに乗せると何ともいえないキュートさを感じる、
「ひよこ」を買っていたのだが、見つからない。
仕方ない。他を探そう、と姉さんと土産物屋さんを見て回ると、
「東京ばな奈」というふんわりしたスポンジケーキが見つかったので購入。
姉さんも娘さんに買っていた。
店を出ると「ここでいいかな?」と姉さんが訊いてきた。
私はまた自分のことしか考えていないことに気づき、少々自己嫌悪に陥る。
慌ててお礼と「気をつけて。どうもありがとう」を繰り返した。
考えることが麻痺してしまったこのときの私の精一杯の言葉だった。
姉さんは青いワンピースをひらひらとさせて、疲れているだろうに、
足取りも軽く、まっすぐに歩き、人込みの中に消えた。

もっとたくさん、気の利いた言葉が出てくるといいのに。
普段こんなふうに文章を書いているくせに、と、
私はせつない思いで姉さんの背中を見送った。
またね。また会いましょうね。背中にテレパシーのようにそう言葉を思った。
ほんとうに、どうもありがとう。


***

搭乗口に入り、荷物チェックを終え、時間まで椅子に座った。
ぼうっとしてくる頭の中は先に書いた後悔やら感謝やらでごっちゃになっていた。
しかし、すべてが自分の思う通りに行かなくても、
私はまた一歩進んだのだと今なら思う。

100%完璧なことがムリなら、
目標を下げて、せめて80%にしてみる。
場合によっては70%でもいい。
しかし70%を出せるなら、70%を100%がんばりたい。
そして何より楽しかった。会えて嬉しかった。
それが一番大切なことだと思う。
自分へのお土産があるとするならこの気持ちだ。

ええと、長い文章になってごめんなさい。
今日はもう8月も終わりの30日で(日付替わっちゃったけど)
そんな私の夏の終わりの午後は、選挙に行くことから始まった。
こうして日々は動いている。
読んでくださって、ありがとうございます。


***

画像は、ついに東京のものが切れたのでリマっちで。
何気に情熱を感じる赤い色なので選んでみました。