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今日は満月、中秋の名月であります。
ずっと曇りや雨が続いていたので、
見るころができるか心配したけれど、無事拝むことができました。

月の周りに輪が見えるほど鮮明で、
下を見ると、庭には大きな石があり、それは長い時間をかけて削られ、
真ん中にぽっかりと穴が開いている。
石の中には昨夜まで降っていた雨が溜まっていた。
月は、その中にしっとりと映っていた。
私を照らし返してしまうほど、妖しく黒く見える水の中に。
ゆらゆらと揺れながら。神秘的で美しい。

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上の画像は大澤誉志幸さんのニューアルバムのジャケットです。
タイトルは「Season's Greetings II - 夕凪」(10/15発売予定)
このジャケットの妖しい麗しさに、大澤さんのファンとしては見逃せない。

大澤さんは決して派手ないでたちではない。
けれど、なぜだか華やかさがある。それは以前から変わらない。
以前は華やかさと凶器のような鋭さがあった。
現在の大澤さんは凶器など越えてしまい、なめらかさすら感じる。
例えるならば、水の中のダイアモンド。
ダイアモンドの切れるようなカッティングの冷たい美しさと、
常に流れ、純粋に柔和に形を変えてゆく水。
このジャケット写真だけで色んなことを想像する。

ただ年を重ねるだけではこんな雰囲気は醸し出せない。
色んな女を(男も?)泣かせ、彼自身もきっと泣いて、
人生経験を積み重ね、怜悧も狂喜も味わい、
その度に人生という水は純度を増し、一滴一滴濾過され、
丁寧に抽出したその水の中を泳ぎ、すらりとした佇まいが生まれたのだと思う。
だからこそ、魅かれてしまうのだ。もうそれは言わずもがな。
大澤さんは年齢を重ねれば重ねるほど、多面性を増してゆく。
それは、大澤さん自身が多分一番理解していて分裂せずに、
狂気から純粋へと、ネクタイをすっと直すだけで、
変化させることができるのだろう。

和風であり、女性は乱れつつ大澤さんだけは端正。サディスティック。
こんなに整えた姿をしているのに溢れるエロティシズム。大澤さんは姿の良いひと。
見目麗しく、視線や指先で恋に落とす官能性を秘めている。
もうこれは隠しようのない魅力なのだろうな、と思わず感嘆のため息をつく。

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何だかこれ以上書くと、
まるで連載の文章のようになってしまうので、この辺にしておきましょう。
また私は、新しく、けれど、懐かしい大澤さんに触れ、恋に落ちてしまうだろう。
アルバムの発売が今からとても楽しみです。