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以前、タケカワユキヒデ氏が初恋だった事を書きましたが、
今回は2度目の憧れについて、です。

小学校5年生くらいにリポビタンDのCMの真田広之氏を見て
あまりのかっこよさに惚れました。
そして間もなく、松田聖子さん主演「野菊の墓」という映画を観に行ったのですが
その同時上映(懐かしい響き)が真田氏の「吼えろ鉄拳」だったのです。

今このタイトルを聞くと何となく恥ずかしい気持ちになる(笑)
その役名は響譲二!うおーアクションだー。
とにかくかっこよかった。しびれた。
私が力説するまでもなく、誰が見ても彼は美形で、
表情に静けさのような物を感じました。とても繊細な印象を。
しかしその風貌からは想像できないくらい見事な体格の持ち主だった。
当時アクションスターと呼ばれた真田氏はそれに対して、
「俳優」として見られたい、と強く思っていたようだ。
確かにレッテルを貼られる事への焦りはわかる。
けれど、その時にしかできないものってあるじゃない。

やっぱり「吼えろ鉄拳」も「燃える勇者」も(うわあああ
あの時の真田氏にしかできない役柄だったのだ。
そして真田氏はよく勉強をしていた。
だからこそアクションスターの座が揺るいだとしても
いつか皆が認める俳優になるだろうことを幼いながら私は確信していた。
そして現在やはり真田氏は誰もが認める立派な俳優さんだ。

けれど私は、あの、あがきながら成長していく過程の真田氏に強く惹かれる。
真田氏がセックスアピールを感じた初めての男性だったのかも。
だからこそ出したレコードを真夜中ヘッドフォンで一人、どきどきして聴いた。
何より現代劇ではなく時代劇の真田氏が好きだった。

「忍者武芸帳百地三太夫」の鷹丸や「伊賀忍法帖」の笛吹城太郎。
あのふたつの役は初々しかった。あんなに武術に長けて強いくせに、
女の経験が足りないようなウブな感じが可愛かった。

当時、中学生になったばかりの私が、
大の大人をかわいいなんて言っていたのは他でもない、
真田氏の存在が言わせていたのだ。
真田氏はあの頃、私に夢を見せてくれた人だ。
本人は気づかないものだが「不器用」さは時にとても魅力的に映る。それも稀に。
その稀な存在が真田広之だった。
あの一生懸命な姿は不謹慎だがちょっと、
サディスティックな気分になったのでした。

ぞくぞく。

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*画像は写真集のカバー。
 
 「L'homme」真田広之写真集
 /写真・英 隆(リュウ・ハナブサ)
 ISBN-4-88304-435-1 
 2000年、七賢出版 3990円(税込)

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刺激的なドラマや映画がだめな私は自然に遠ざかってしまったけれど、
20年振りくらいに「たそがれ清兵衛」を劇場で観ました。
彼の動と静の部分がうまく出ていてとても良かった。めちゃくちゃ泣いた。

それにしても彼の出演作品と役名をすべて、
そらで言える私は記憶力に偏りがあると思う(笑)