私の住む街もさすがに暑さが続いている。
うーん、7月も後半になるのか。夏が終わるのは淋しいな。
もう少し暑い日があっていい。
今年は今あるTシャツを着倒したいなと思うのです。

人間って些細な出来事で、
急にがつん、と行動力が起きたり、
今まで失っていた興味を取り戻すこともあるのだな、
と、思ったので書いてみます。超、私事です。
最近7分丈のスウェットパンツを購入しました。
その履き心地の良さに色違いでもう1枚購入。家用に。
薄いのでこれ1枚で外は出られません。 

膝下にゴムが入っていて、ぐっと絞ったデザイン。
おへそを覆うくらいの股上。家にいる時に履きやすくあらゆる動きができる、
と、いうのが条件で選んだものですが、期待以上でした。
なぜなら、そのパンツに薄いTシャツを合わせ、
髪をアップにしたら(暑くて)バレエ魂が蘇ったから。
観るあほうでもあるが、踊るあほうでもある私は、
幼少時代からとにかく踊ることが好きだ。
だがしかし、悲しいかな、運動オンチ。
すぐに息切れして体力のないことも原因と言えば原因ですが、
バレエをやっていた頃、いつもの先生が来られず若い先生が来たことがあった。
先生が変わると教え方ももちろん違う。
しかもその若い先生は現役のバレエダンサーだったので、
教える際、言葉に専門用語が多用された。

いつもの先生の教え方は先に踊ってみせてくれて、
「はい、どうぞ」と生徒に踊らせるというものだった。
私はしょっちゅう振りを忘れ、余計に慌てて息が上がった。
しかし踊りがうまくなりたかった+本好きなのでバレエの本を読み漁り、
バレエ用語とその動きは頭で理解していた。つまり用語でなら踊れる。
ダンサー先生は、ひとつひとつの振りを用語、例えば、
「はい、プリエ、ドゥミプリエ」と、言ってくれるので、
私はそれを言われたとおりにこなすのですが、
頭で理解したことが体にも反映され、しかも失敗なくできると、
体力も持つ、というのが実感できた。
何と体が動いてくれることか、と感激すらした。
わからないとその分、体力も奪われ、のぼせを起こさない日はなかったので、
初めて、楽しく音楽に乗って踊れたのは、とても楽しかったし、嬉しかった。
たった一度しかなかったことだけれど、私には鮮明な記憶として、
心の中で輝き、やはりバレエが好きだと胸が熱くなる。
その時の先生のレッスン着が細身のクロップド丈の黒いパンツだった。
華奢な先生は可愛いキャミソール型のレオタードにそのパンツ、
髪型のお団子もぴたりと小さな顔に映え、美しくも可憐だった。

楽しいレッスンも終わり、みんなで玄関を出ようとしたとき、
先生はレッスン場でひとり、練習を始めた。
さすがはプロ、というすさまじく激しい動きだった。
床は生徒がたてたことのない音で溢れた。
躍動感のある高いジャンプにスプリット。
降りたときの、だん!と響くシューズの音。
回転するときのきゅるきゅるという床の擦れる音。
私も生徒さんたちも見惚れてしまった。

長くなりましたが、そんな訳でクロップド丈のパンツ、
しかも薄いスウェットだとどうしても思い出し、
深夜になり、ひとりであの頃のように、ストレッチ、バーレッスン、
そして音楽を心で思い(音楽をかけると深夜なので迷惑になるため鼻歌で)
フローリングの床を蹴り、足を伸ばし、回転してみる。
もちろんうまくはできない。けれどやりたいという気持ち、
その思いが巡って来たことが、とても嬉しかった。

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で、上の動画へと辿り着くわけです(長いな)
彼女が着ているレッスン着のボトムが今回愛用のパンツに似ています。
少しだけダンサー気分を味わえるのでそこも大事です。
動画の可憐な彼女の名前はポリーナ・セミオノワさん。ロシアのバレエダンサー。
1995年、高円宮杯(バレエコンクール)で彼女の存在を知りました。

最近、日本の車のCMにも出ていた方なので、
バレエファンでなくとも知っている方も多いかと思います。
細いけれど、手足が長く柔軟性のある筋肉が素晴らしい。
ドラマティックな音楽とともに、踊る喜びを感じるこの動画が大好きです。