
以前モデルさんをしていた安珠さんが、
撮影と文章を手がけた小さな写真集を読みました。
「小太陽」と書いて「こたよう」ちゃんと読む。
タイトルにも小と太陽の間に「さな」と入っているが本当によーく見ないとわからない。
その小太陽ちゃん。表紙を見ただけでもう腰砕けになるほどキュートなのである。
写真集には、
まるく描いた文字。青空。鳥達。花々。大好きなもの。
その合い間を漂う小太陽ちゃんの姿。
獣医さんとのやり取りの所のみモノクロ。
唐突な現実感。けれどその空間は生死の場所であり、
いかに信頼しているのかがその文章から
そして小太陽ちゃんの表情から窺える。
小太陽ちゃんと出会う前は、
「暗く光がささないことも」あったという。
そして「そんなときが永遠に続く気がして怖かった」という安珠さん。
そんな恐怖を彼女は越えて来た。そして彼女は小太陽ちゃんに出会った。
一人で闇を越えた彼女は強い。
そんな彼女を支える小太陽ちゃんも強い。
見返りを期待しないひとりといっぴき。
そんな日常が切り取られている素敵な写真集です。
文庫本サイズのこの写真集は、
静寂と純粋さがきゅっと詰まったちいさな本です。
小太陽ちゃんは美しい。安珠さんの佇まいも美しい。
けれど細くて時々痛々しく感じる事もある。
その彼女をいつも帰宅して迎えてくれるのが、この小太陽ちゃんなのだ。
ひと(猫の?)の良さそうな顔をした小太陽ちゃん。
いつも安珠さんを見つめる小太陽ちゃんのビー玉のような瞳。
そして安珠さんの心も穏やかになる。
「空に輝く太陽と心をてらす小さな太陽がいてくれるのだから」
だから大丈夫、と彼女は言う。
愛しいもの。それは計れるものじゃない。比べるものじゃない。
私は個人的にこの本を見ると、
洗濯をしようとか、お風呂の入浴剤を替えてみよう、など、
生活が楽しくなることをしてみる。
そして生きることも少しだけ楽になる。
---------------------------------------